会長挨拶

第37回日本神経救急学会学術集会
会長 栗田 浩樹
埼玉医科大学国際医療センター
副院長・脳卒中センター長、脳卒中外科診療部長
脳神経外科プログラム統括責任者

この度ご指名を賜り、第37回日本神経救急学会学術集会を2023年6月24日に軽井沢プリンスホテルで開催させて頂く事になりました。脳神経外科医としてのキャリアのほぼすべてを救急の現場で過ごしてきた小職と、所属する埼玉医科大学国際医療センター救命救急センターにとって大変光栄であり、本会の歴史を作ってこられた先達のご尽力に恥じないような大会にできるよう、医局員とともに精進して準備致しました。

今回はテーマを「忘れ得ぬ症例、忘れじのエビデンス」とさせて頂きました。EBMという言葉が定着して久しく、神経救急の分野でも年毎に新しいエビデンスが構築され、ガイドラインとして出版されています。エビデンスに裏打ちされた標準治療の重要性は論を俟ちませんが、「先達の経験を後進が受け継ぎ、brush upしていく事」も学術集会の大きな目的の一つです。指導医の先生方にも、長年のご経験の中から「忘れられない症例」あるいは「忘れてはならない症例」があると思います。中にはエビデンスでは説明できない病態やエビデンスを突き抜けた治療のご経験もあるかも知れません。今回は、そのような症例を、指導医が後進に向けて語りかけ、そこから関連するエビデンスを皆で確認していく形のシンポジウムを中心に据えました。小職と同世代の評議員の先生を中心に、学会のリーダーの先生方に「症例報告」をお願いするという本当に無理なお願いにも関わらず、多くの先生にご賛同を頂く事ができました。この場を借りて改めてお礼申し上げます。また、神経救急に関する小職の師匠である杏林大学救急医学の山口芳裕教授からは、「我々は誇り高いプロフェッショナルだ」と題した熱い特別講演を頂ける事になり、今後を担う中堅、若手医師を鼓舞し、受け継がれるべき神経救急spiritを強いメッセージとして発信する機会になると確信しています。

このコンセプトから、学術集会は対面よる現地開催のみでface to faceで行います。長い間のコロナ対応で披露が蓄積していらっしゃる会員の先生に、少しでもゆっくりして頂きたいとの思いから、リゾート地での開催と致しました。comedical sessionも日本救急看護学会の共催を頂き、大変充実した内容となりました。是非診療チームにもお声がけ頂き、リフレッシュの場としてもご活用頂ければ幸いです。新緑の軽井沢で皆様とお会いできる事をとても楽しみにしております。さあ、熱い議論を始めましょう!

2023年5月吉日

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